海運株に妙味あり

中国、アメリカ等を筆頭に全世界での景気回復を受けて、原材料、素材価格の高騰が続いております。

その結果、石炭や鉄鉱石、木材、大豆、小麦等を運ぶばら積み船の運賃指標である、バルチック海運指数(BDI)が、4月29日10年ぶりの高値を更新しました。

この、BDIとは、イギリスのバルチック海運取引所発表の外航不定期船の指標であり、 毎日、日本時間の22時に発表されますが、29日には+50の3007ポイントとなりました。

この指標は下記のグラフの通り、2020年の12月には1050ポイント程度であったものが、昨日は3000ポイントと半年足らずで約倍の数値(運賃の高騰)となっています。

                            (ロンドンバルチック海運取引所調べ)

それを受けて、大手海運株を中心に、30日の東京証券取引所の1部銘柄の業種別値上がり率は海運業がプラス4.8%となり、日経平均株価が241円下げた中での1位となりました。

この要因は、中国の景気回復の影響が最も大きく、特にオーストラリアやブラジルから大量に輸入される、鉄鉱石や原料炭(コークス)の輸送量の増加にあると思われます。

また、先日起こったスエズ運河での全長400mの超大型コンテナ船の座礁事故により、世界全体の海上輸送が2週間に渡り影響を受け、運賃が高騰をした面も大きいと思われます。

以下に、会社四季報予測の2021年3月期から2022年3月期の海運各社の業績予想と、直近3カ月程度の各社の株価と本日の終値の表を掲載致してみました。

このグラフが示しているように、海運大手3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)と準大手のNSユナイテッド海運の株価は、本日揃って高値を更新致しました。

しかし、売上高が1000億円未満の中堅海運会社の株価は、概ね3月中旬に高値を形成して、その後は高値から概ね10%~20%程度安い価格で推移しております。

大手海運会社には、日経平均株価やJPX500等のETFに組み入れられている銘柄が多く資金が流入しやすいのは現実ですが、実際の本日の日経平均株価は241円下げております。

勿論、各種投資信託等の組み入れ銘柄に大手海運株が入っており、それらの買いを集めたのかも知れません。

しかし、株価には色々な要素が複雑に絡み合って形成されるものですが、最終的には将来の業績に収れんされていくものだと考えられております。

つい3か月程前まで、コロナ感染の影響で世界物流は減少の一途を辿り、船舶過剰の問題が浮上しておりました。

しかし、昨年の中場辺りから中国の景気回復を受けて、輸出の増加により一時はコンテナバン(コンテナと呼ばれる鉄の箱)不足が深刻となり、コンテナ船の運賃が上昇しております。

そこに、今回はばら積み運搬船の10年ぶりの運賃上昇が重なったという訳です。

現在のTOPIX(東京証券取引所全体の1部上場銘柄の加重平均指数)に採用されている銘柄のPER平均値は、16~17倍程度です。

これには、電子部品株や自然エネルギー株等の将来性が極めて高く、PERが100倍を超えているような株も勿論含まれていますので、平均すれば妥当な数字だと言えます。

さて、大手海運会社の筆頭として、商船三井は本日14時に21年度決算発表を行いました。

その結果、上記の四季報予想とは裏腹に、21年3月期の連結営業損益を53億円の赤字(前の期は237億円の黒字)に修正、22年3月期は280億円の黒字を見込む見通としました。

また、前期の年間配当を50円増配し150円(前の期は65円)とし、今期も150円を継続する方針とのことでした。

この発表を受け、決算を控え前引けでは、4175円と前日比5円安まで売られていた株価は、急速に値幅を飛ばし、4390円の高値引けで取引を終えております。

一方、日本製鉄系のNSユナイテッド海運は、午後2時30分、21年度の本決算と同時に22年度3月期の連結業績予想を発表しました。

売上高1460億円(前期比5.5%増)、営業利益106億円(同57.4%増)予想として、鉄鉱石他のドライバルク貨物全般の輸送需要増加を理由に大幅な増益見通しを示しました。

そして、発表を機に株価は値を飛ばし、一時182円高の2298円まで買われました。

海運株と言えば、半年前までは中国の鉄鋼をはじめとした設備過剰問題に悩まされ、業績が長期に亘って低迷をしておりました。

そして、この半年で上昇をし始め、本日は全体相場が値下がりする中、海運株は全業種でトップの4.8%という上昇を見せました。

さて、ここで大手3社の4月30日現在の株価を基準として、1株当たりの利益率(PER)を計算してみますと、郵船が7.2倍、商船三井が8.1倍、川崎汽船が8.1倍となっています。

つまり、海運株は成長性の無いバリュー株として、市場参加者の間では位置付けられてきたのです。

しかし、今一度海運荷動き量の将来性を考えて見てはどうでしょうか?

今後は、船を使って荷物を運ぶ海上荷動き量が飛躍的に伸びる要素で一杯な事に気がつかされるのではないでしょうか。

まずは、カーボンニュートラルの為の水素を現在の100万トン生産から2000万トン生産へと増産する為の、鉄や金属素材などの原材料、素材の物流は現在の100倍になるのです。

また、世界人口は70億人から、今後30年間で100億人へと爆発的増加する事は統計学的に確実であり、東南アジア、インド、アフリカ等の途上国の発展は確実でしょう。

そうなれば、穀物、肉、魚等の食糧輸送の爆発的増加は勿論の事、自動車、家電製品、スマホやパソコンなどの工業製品の輸出入も爆発的に増加が見込めると予想致します。

またコスト面でも、輸送費の大半を占めるバンカー価格は、脱炭素化社会の進展による原油離れから、少なくとも上昇はせず逆に低下が見込める点があげられます。

(舶用エンジンはA重油とC重油を混合したACブレンダーという燃料を主に使っていますが、今後はアンモニアや水素を燃料とした脱炭素低燃費エンジンの開発も進んでいます。)

しかも海運業は、海上輸送運賃である傭船料が100%ドル建て支払われる唯一の産業であり、今後のアメリカ長期金利の緩やかな上昇により為替の円安が見込める点でも有利です。

以上の様な理由から、海運業は今後半導体やEV自動車生産のような、ハイテク産業と同様の将来の成長性の見込める産業に変化して行くものと推測されます。

従って、海運株は、現在はPERが1桁のオールドエコノミー産業のバリュー株として位置づけられていますが、今後はPERが30倍以上のグロース株へと変革していくと予測します。

そうなれば、株価は最低でも現在の3倍以上、場合によってはテンバガーも狙える産業だと確信をしております。

また、PERや企業としての総合性には欠けるものの、一旦は将来の成長性を織り込んで上昇したものの、その後値下がりをしている飯野海運などの中堅海運株も、小型株だけに資金が一度流入し始めると大化けする可能性があると予測致します。

最期に10年程前に実際に起こった事実を書いておきます。

かつての中国バブルで上海総合指数が5500ポイントを付けた時には、バルチック海運指数は何と20000ポイントを一時的につけた事があるのです。

(その後数カ月で暴落し、1000ポイントまで下がりました)

その時の商戦三井の株価は、現在の株価に換算して見ると何と20000円でした。

海運株が実際にテンバガーとなったというのは、紛れも無い事実なのです。

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