脱炭素化加速による電気制御パワー半導体への投資妙味あり

最近半導体不足により自動車の生産が遅れているといったニュースをよく耳にするようになりましたが、実際に半導体の需要は景気回復に伴って急速に増加をしております。

特に「パワー半導体」は、交流電流を直流電流に変換したり、電圧を下げたりするなどの用途で使用をされており、電気の制御や供給のために使われています。

そして、世界的な脱炭素化の流れに乗って、EV自動車や風力発電機などのモーターを回転させるための制御に、パワー半導体が使用されています。

更にパワー半導体の用途は広く、電力・鉄道車両・家電製品などにも使われ、家電ではエアコンなどのインバーター(直流電流を交流電流に変換する装置)製品での使用が有名です。

半導体を使った製品を思い浮かべると、スマホやパソコンなどのCPUやメモリなどが連想されがちですが、パワー半導体はそれらとは根本的に果たす役割に大きな違いがあります。

パワー半導体は今後、EV自動車、風力発電、太陽光発電などの分野で急拡大が予想されている他、エアコン、産業機器などでも市場規模の拡大が見込まれています。

また、パワー半導体を製造するには高度な技術が必要とされていて、多くの種類を少量生産していくという特徴から、新規参入の非常に難しい製品となっています。

従がって、世界の全半導体生産全体では上位である韓国、中国、台湾の企業では生産することができない製品として位置づけられております。

パワー半導体には、交流から直流に変換するコンバーター、直流から交流に変換するインバーター、周波数変換、電圧を安定させるためのレギュレーターの4つの種類があります。

このパワー半導体の世界市場シェアは次の通りとなっています。

1位 インフォなティーテクノロジーズ(ドイツ 26.4%)

2位 オン・セミコンダクター(アメリカ10.0%)

3位 三菱電機(8.6%)

4位 東芝(6.5%)

5位 STマイクロエレクトロニクス(スイス5.7%)

6位 富士電機(5.5%)

その他 37.3%

と、世界のパワー半導体の6割強が上位6社で独占されております。

日本の企業では、買収問題でもめている東芝を除けば、三菱電機と富士電機とロームの3社がパワー半導体を製造しております。

3社とも既に、2021年3月期の業績発表を済ませておりますので、その数値と本日の株価の終値と2022年3月期予想利益に対するPERを計算して掲載いたします。

日本企業では三菱電機がトップであり、インバーターエアコンは世界一の実績を誇っています。

SIC(炭化ケイ素)という次世代のパワー半導体の開発で世界を一歩リードしており、この半導体は従来のパワー半導体よりも大幅に変換効率を上げたもので、低消費電力を実現するものであり早期の開発が期待されています。

2017年に会社側が発表した戦略的計画では、パワーデバイス事業を特に成長牽引事業として取り上げております。

各種の産業機器、鉄道車両用インバーターやエレベーターなどの重電システム、家電といったパワー半導体を使用する機器を自社で手掛けていることが強みとなっております。

これからは、電鉄とEV車向けの生産が増加していく予定であり、福岡に新たに開発拠点を増設し、またシャープから福岡工場の一部を買い取って設備の増強を図っています。

現在の三菱電機のパワー半導体の売り上げは5%で営業利益は10%程度ですが、今後の増産の結果、売り上げの20%をパワー半導体が占めるようになる可能性があります。

株価は、2月24日の1566円を底値に、3月19日の1785円を高嶺とした三角持ち合いの状態となっており、昨日と本日大幅下落して本日の終値は1647円となっています。

富士電機は、鉄道車両、自動車や産業機器の分野で使用するパワー半導体のメーカーです。パワー半導体の中国市場のシェアは世界の40%であり、富士電機は中国との関係が強く、中国市場獲得のために現地での材料調達を進めるなどコスト削減に努めています。

ただし中国では、パワー半導体は海外製品への依存度が高い現状にありますが、日中貿易摩擦の影響を受けて、中国国内での生産を強化する動きも最近では見られています。

2019年に発表した「2019~2023年度中期経営計画」で、「パワエレシステム・パワー半導体」を成長戦略の中核に位置付けており、5年間でパワー半導体への1,200億円の設備投資を予定しています。

また、2023年度のパワー半導体の売上高の目標を2018年度の57%増の1,750億円としていますが、電気鉄道やEV自動車向けの受注が旺盛で生産が追い付かないほどの状態です。

現在の富士電機のパワー半導体の売り上げは15%がですが、何と営業利益の50%をパワー半導体で稼いでおり、いかに利益率の高い商品であるかがお分かり頂けると思います。

さらに、三菱電機と同じくSIC(炭化ケイ素)というパワー半導体の開発にも力を入れており、2025年~2026年に2割世界のシェア獲得を企業目標に掲げています。

富士電機の株価は、2020年のコロナショック時の3/17に安値1960円を付けてからは、押し目らしい押し目もなく上昇トレンドを継続しており、4月28日に5270円の高値を付けた後は、若干の調整をして本日は65円安の4925円で引けております。

2021年3月期の決算発表で、2022年3月期の純利益予想を出しておりますが、本日のPERは16.8倍であり、成長性の極めて高いグロース株としては割安に水準にあります。

ロームはパワー半導体への参入は後発となり現状ではパワー半導体の生産規模は非常に小さいのですが、SICパワー半導体開発では先進的な取り組みを行っている企業です。

会社方針としてSICパワーデバイス市場で2025年に3割のシェア獲得を目標としています。

また、供給体制を確保するため、2020年12月に福岡県の筑後工場の新棟が竣工したほか、2025年までに600億円の設備投資を予定しています

株価は、2020年7月31日の6640円から2021年1月21日には12140円まで急騰しており、その後は調整をして本日の株価は一目均衡表の基準線近辺の10090円となっています。

半導体市場全体では新型コロナウイルスの感染拡大の影響が比較的軽微でありました。

そして、パワー半導体は脱炭素化社会の構築、すなわち風力発電モーター、EV自動車モーターなどの制御に欠かせないものであり、今後は世界規模での急速な市場拡大が期待されている分野です。

富士経済グループのプレスリリースによると、パワー半導体の世界市場の規模は、2019年は2兆9,141億円でしたが、2030年は4兆2,652億円に達すると予測されています。

また、ヨーロッパでは今後風力発電に70兆円の投資が計画されておりますが、その5%にあたる3兆5000億円をパワー半導体が占めているという事実もあります。

その点だけを切り取ってみても、2030年の需要予測は極めて控えめなものだと言わざるを得ません。

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