22日業種別平均の株価が10%上昇した海運3社はまだ買えるか(川崎汽船)

6月22日に川崎汽船が、今期の利益予想を22年3月期の連結業績予想について、純利益を350億円から1900億円(前期比74.8%増)へ上方修正しました。

決算発表をしてまだ1か月ちょっとしか経ていないのに何故こんなに途方もない上方修正が出て来たのかをまずは解説を致します。

上記の一覧表が2018年からの川崎汽船の業績推移表になります。

注目すべきは、毎年売上高が減少しているのに、21年、22年と最終利益が急上昇しているという歪んだ事象が発生している箏がお分かり頂けると思います。

海運業界は永年国際競争にまともにさらされて来た収益構造の最も低い業界として有名で有りました。

そこで、2017年7月7日に、川崎汽船、商船三井、日本郵船の海運大手3社で定期コンテナ船事業を統合し、Ocean Network Express設立されましたという会社を設立しました。

これは、従来は3社が別々に荷主との運賃交渉をしていたものを、3社で運賃や積荷や航路等を統合して、外国勢との運賃交渉を有利に進めていく為の営業専門の会社です。

この会社は会社名の頭文字をとって通称ONEと呼ばれていますが、コンテナ運賃収入はこのONEを通して、大手3社がその輸送量を案分した金額を運賃とするシステムと致しました。

それでも、海運市況は船腹過剰により厳しい競争にさらされ続け、2020年までは利益が赤字の場合が多いという、言わば衰退産業だと思われていたのです。

それが、昨年来の新型コロナウイルス蔓延後の急激な中国やアメリカや東南アジア等の経済成長によって、運ぶ積荷が大幅に増えた訳です。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、港湾労働者やコンテナバン(20、40フィートのコンテナの箱)が大量に不足してきた事により、ONEの営業力もあって運賃が高騰したのです。

特に、今年に入ってから需要が急拡大しており、運賃の上昇は上記の表のように、アメリカとアジアを結ぶ航路にて、4月に5890ドルで有ったものが5月には8970ドルにまで高騰しております。

この運賃収入が高騰した分だけ、2021年3月期の決算発表時よりも収益が大幅に増加して、今回の増益発表に繋がったという訳です。

船舶には色々なタイプのものが有りますが、大きく分けると原油や石油製品を運搬するタンカーと、製品を運ぶコンテナ船と鉄鉱石などの原材料を運ぶバラ積運搬船が有ります。

タンカーにつきましても、コロナ禍直後は1バレル20ドルにまで落ちた原油価格が現在は70ドル台で推移しており運賃も大幅に上昇しております。

また、バラ積み運搬船の運賃は定期用船といって、何年間かの一定の期間に船を貸し出して運搬する決まった運賃と、スポット的に決まるバルチック海運指数の2種類が有ります。

そのバルチック海運指数は、1985年の運賃を1000ドルとして指数化したものですが、足元では3000ポイント台の高値で推移しており、こちらも収益を押し上げる構造となっています。

しかし、最も海運大手3社の利益に貢献しているのは、共同設立会社であるONEからのコンテナ運搬による運賃なのです。

ここで、世界物流という観点から海上輸送を見てみると、物量ベースでは何と99.7%の荷物が海上輸送されていて、残りの0.3%が飛行機によって運ばれているのです。

最近少しは下落致しましたが、鉄や銅、ニッケル、石炭等の価格が高騰しており、また燃焼効率の最も良い液化天然ガスは、LNG運搬船という特殊な専用船によって運ばれます。

このLNG船の運賃も高騰をしてきております。

発電方式を中国等の新興国では、石炭火力からLNG火力発電に切り替えているところが多く、その需要が増大している為です。

また、大豆や木材、トウモロコシと言った、住宅価格に影響するものや、家畜の餌となる穀物も相当な値上がりをしており、その結果バラ積船の運賃が上がっているという訳です。

この高騰はまだまだ新興国でコロナ感染の悪影響が収まるまでは継続して更に高騰していく気配を見せており、そういった平時とは違った特殊な事情もあり運賃が高騰しています。

その結果、6月23日の川崎汽船の株価は、終値で3890円となっていますが、発表されている22年度の1株利益の予想は1165.3円であり、何とPER3.33倍になっています。

これは、商船三井でも日本郵船でも同様の状態が起こっております。

商船三井は川崎汽船より1日早く業績の修正予想を出しましたが、それを受けて昨日は海運業種全体の上昇率が10%という驚異的な上げを見せた訳です。

川崎汽船だけを見てみても、1月27日には1779円だった株価は、ほぼ一本調子で値上がりを続け、本日年初来高値を更新して3990円まで買われました。

しかし、さすがに昨日10%の上げの後の150円高の寄り値が最高値となってしまい、その後は10時35分に3735円まで売られました。

つまり、昨日の商船三井の上方修正によってある程度の利益拡大は既に織り込み済みだったという訳です。

しかし、その後は長い下髭を残して株価は再び上昇に転じて、結局3890円の40円高で引けております。

最高値で現れた陰線ですから、明日以降は通常は下げると予想するのが当然の判断ですが、ローソク足の形がハンマーヘッドと呼ばれる、下髭の長い形になっておりトレンドが下降に転換したとは言い切れません。

その上に上記のコンテナ船の運賃は景気回復を受けて益々上昇する見込みで有り、明日以降も100円程度の押し目を付ける可能性が高いと思われますが、その時はまだ買いでよいのではないかと考えております。

これは、川崎汽船の株価が商船三井と日本郵船の株価より2000円近く安い事もあり、今日その2社は下げていますが、川崎汽船ならば明日の買いもあり得ると考えている訳です。

1か月程度保有していれば、5000円になる可能性も充分あると考えております。

しかし、現在の地合いを考えると1日~3日で決済してしまうべきだとも考えております。

それは、株価の位置がかなり高い位置にあり、また本日こそ小動きでしたが、ボラティリティの高い相場が当面続く事を考えれば、急いで買って高値掴みをする可能性も有るからです。

200円ロスカット基準というような明確なルールを自分で作って、本日より100円程度明日安くなる場面が有れば買いで対処すべきだと考えております。

かなり、リスクのある投資戦略なので、投資はあくまでも自己責任でお願いいたします。

なお、海運業界は以前にも書かせていただきましたように、今後の世界人口の爆発的な伸びや、グリーン政策により様々な設備が今後100倍の素材を必要としている2点だけを考えてみても、バリュー株からグロース株へと変貌する可能性があると現在でも私は考えております。

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